ストレッチングサロン blog: ストレッチングの種類

2016年11月11日金曜日

ストレッチングの種類


~代表的なストレッチング~

・ スタティック・ストレッチング

 反動をつけずに行う静的なストレッチングです。皆さんがストレッチングといえば想像される最も一般的なストレッチングです。
 持続的な筋の仕事量の増加、および筋疲労予防に役立ちます。ただし、筋の瞬発力は低下する傾向にあります。

・ バリスティック・ストレッチング

スタティック・ストレッチングの普及以前に主流とされていました。若干の反動をつけて行う動的ストレッチングです。単関節運動が多い。
 ラジオ体操にその要素が含まれています。

 ※ 最近は反動による筋微細損傷の危険性や伸張反射により筋に収縮性が得
  られにくいという欠点のため利用は少なくなっています。

・ ダイナミック・ストレッチング

バリスティック・ストレッチングと同様に反動のついた動作を反復させ、柔軟性を得る。
 スポーツ競技の類似動作を模写したストレッチングであり多関節運動であり、ウォーミングアッとして利用したり、競技パフォーマンス向上に有効とされています。バリスティック・ストレッチングに変わって多方面で使われています。ただし、一般の人には向かないでしょう。

 ※ 一般的にこのような反動のついた動的ストレッチングは、筋肉・腱などの伸
  ストレスが大きく、危険であるとされています。したがって、アスリートには有効で
 あっても、一般の人の健康維持や疾病の治療としては反動をつけた動的ストレッ
 チングは避けたほうが無難でしょう。これは筋肉に対する<伸張反射>が引きお
 こされ、この反射がおきているにもかかわらず、筋肉を伸張することで、筋肉・腱
 などを損傷するおそれがあるからです。
     
     <伸張反射>”とは?  
      筋線維が引き伸ばされると筋紡錘が圧迫され刺激が知覚神経、神経細胞、
  運動神経へと連絡され、筋が収縮する。脊髄反射の一種。(ストレッチング
  筋に存在する筋紡錘が筋線維に圧迫される知覚神経脊髄の灰白質
  動神経筋の収縮)

・ クライセオ・ストレッチング

 アイシングを併用したストレッチングです。靭帯の損傷、肉離れなどの筋・靭帯の外傷急性期に利用でき、疼痛をコントロールしながら損傷部位に軽度な伸張刺激を与え、組織の機能回復を早める目的でおこなうストレッチングです。



~高度なストレッチング~


・ コンプレス・ストレッチング

 筋肉に一定の圧刺激を与えながら、穏やかに伸張していく。限界まで伸張したらしばらく静止し、その後、穏やかに圧刺激を開放してあげる。
 より局所を狙った効果が期待できる。

・ ダイレクト・ストレッチング


・ 個別筋ストレッチング(IDストレッチング)

スタティック・ストレッチングの他動的ストレッチング法です。スタティック・ストッチングよりさらにターゲットを個別化して行う手技です。ターゲットの伸張性がスタティック・ストレッチングをおこなっても得られない場合や、ターゲットがひとつの筋に絞られている場合に有効とされています。
 主に伸張性の低下した個々の筋を対象として、筋緊張の低下、可動域および柔軟性の改善などを目的として、個々の筋線維走行および筋連結を意識し、同じ運動方向に関与する筋群のなかでも、ターゲットが効率よく伸張できる他動的ストレッチング法。

・ ブロロングド・ストレッチング

 筋を長軸方向にゆっくりと引き伸ばすIDストレッチですが、腱紡錘であるb抑制を利用し、筋の伸張をはかるストレッチング。

  <b抑制>
   腱を押さえ、目的とする筋肉をゆっくりと伸張させます。腱紡錘の求心性神経
  Ⅰb線維は、筋肉に発生する張力を検知します。
   b群線維は、b線維抑制介在ニューロンを介して抑制的にその筋肉が
  緩します。

・ クイック・ストレッチング

 筋に対して急激な伸張を与え、伸張反射により伸張された筋の収縮と拮抗筋の弛緩を得ることを目的としたa抑制を利用したストレッチングです。

  <a抑制>
    関節可動域の最大周囲域で抵抗を加え、筋肉を収縮させ、パット抵抗をなく
   ます。これも何度か繰り返します。筋紡錘の求心性神経a線維の反射経路
   は、関節が外力により受動的に動かせると、その筋肉のa線維群の興奮は、
   伸張反射を誘導て自動的に収縮する。同時にa制介在ニューロンが関与し
   て拮抗筋が弛緩する。関節可動域がより広がります。



PNFストレッチング(固有受容性神経筋捉通法)

 <固有受容器>を利用した神経筋を捉通させる方法を一般的にPNFと定義されています。このPNF理論を利用したストレッチングもスポーツ現場や治療で利用されています。

  <固有受容器>とは?
   主な受容器を紹介します。
   これらの受容器を利用した手技は、治療現場では非常に多い。リハビリテー
   ションに限らず、痛みの除去や関節可動域の増大には固有受容は、積極的
   に利用されています。したがって、これらの受容器を無視した手技は考え
   ない。PNFもその中の一つの手技と考えられます。

PNFとはこれらの固有受容器刺激することによって、神経や筋の働きを高め、身体機能を高めるテクニックであるといえます。医学的には、脳性麻痺や脳血管障害などによる神経障害や筋力低下、協調性の障害、関節可動域の制限などを改善したり、日常生活に必要な運動機能を獲得したりします。
固有受容器に与える刺激は代表的なものには、触覚刺激、聴覚刺激(言葉など)、視覚刺激、抵抗、牽引、圧縮、伸張、運動パターン、タイミング、放散があります。
なかなか複雑で多種多様の手技があります。熟知されたトレーナーの指導を受けるべきだと思っています。

一般的にPNFを利用した単純なPNFストレッチングとして

1、ホールド・リラックス(アイソメトリッスとストレッチングの組み合わせ)
2、スロー・リバース・リラックス(アイソメトリックスとストレッチングの組み合わせ)
3、コントラクト・リラックス(ポジティブ・トレーニングとストレッチングの組み合わせ)
  ※1、 は一人で可能です。2、3、はパートナーが必要です。
    この3種類は比較的有名で簡単なので多用されています。