ストレッチングサロン blog: 12月 2016

2016年12月8日木曜日

ストレッチングの方法


1、痛みをコントロールしよう。

 安静時の筋緊張亢進因子の抑制をおこなってから、痛みをコントロールしながらストレッチングを実施することが重要です。

 ・ 急性期のストレッチングはクライオ・ストレッチング。
 ・ 炎症時のある場合は必ずアイシング。
 ・ 可動範囲内で、リラックスしながらゆっくりとしたリズムで実施する。
 ・ 傷害関節の場合は、ストレッチングの後のアイシングも実施する。

2、ストレッチングは体幹から始める。

・体幹の関節機能異常・筋硬結は、末鞘の筋に対して反射的に影響を与えます。

 これは人間が四足歩行から二足歩行に進化した過程において姿勢抑制機構が変化発展したことによります。
 姿勢抑制機構とは、神経筋骨格系の重力や外力に対する働きです。二本足歩行に進化した過程で人間は、姿勢や動作の微細なコントロールを察知するメカノセプター(固有受容器)を各関節で進化発達させました。
 二足歩行により主に下肢、骨盤部、椎骨部からの情報が、歩行や姿勢制御に大きく貢献し、上肢では主に緻密で複雑な動作の情報がメカノレセプターをつうじて中枢に入力され、中枢を介して関節周囲や各部位の筋に伝えられます。また骨盤部では、特に仙骨周囲に受容器が多いとされています。
 体幹部のストレッチングを実施することにより、体幹の筋、関節周囲に存在するメカノレセプタ-の興奮閾値の上昇および正常化を通じて四肢の筋緊張を正常化する結果となります。

・その他に運動学的連鎖(キネマテックチェーン)による影響。

体のすべての部分は、運動学的連鎖(キネマテックチェーン)によって、機能的に連結し、連動しています。身体のある部分に何らかの異常が起こると、運動学的に関連する他の部分に影響が起こります。
 神経系、筋系、骨格系のいずれか一つににでも機能的な障害があれば近位や遠位に代償性の姿勢の変化や代償性の運動の変化が起こります。
筋の過緊張・短縮、あるいは機能低下によって、関節の可動域の制限や不安定化が起こりまこのような運動力学連鎖は、筋から筋へと力が連鎖的に伝えられていく。
 筋は、一見独立した組織のように思われますが、実は、筋膜のネットワークを通じて機能的に連動しています。
 例えば、痛みストレスの回避が、体幹関節の仙腸関節・脊椎椎間関節・肋椎関節に非生理的関節ストレスとして伝播、蓄積され、関節機能の異常や関節周囲の筋硬結を生む結果となります。
 一方、体幹関節の機能異常や筋硬結に由来した運動軸の可動性の低下は、遠位連鎖関節の代償運動を生み、遠位筋はオーバーストレッチあるいはオーバーコントラクションを強いられる結果となる。

3、継続的に行おう。

 当たり前といったら当たり前ですね。継続こそ力なり柔軟性の維持あるいは回復し向上させるには、組織の状態を変化させ、目標とする身体状況に適応するための時間が必要です。


4、ゆっくりと伸ばそう。
 
 コレも常識ですね。一部のストレッチング以外は、ゆっくりと痛みのない範囲で伸ばす。ゆっくりとした伸張は、筋の過剰収縮を抑制すると同時に、b抑制、相反性抑制jによる相乗効果を高めることができます。ただし、伸張時間の設定は依然定かではない。
 20秒から30秒が一般的です。
 
5、呼吸法を利用しよう。


 ストレッチングの際はゆっくりとした呼気時におこない、吸気時にはストレッチングを止め、呼気時に再びストレッチングを行う。
 自然な自律神経のサイクルの最小単位は呼吸です。
吸気時には交感神経機能が活性化し、呼気時には副交感神経機能が活性化します。つまり、呼気を意識した呼吸は副交感神経が優位になり、交感神経が抑制され、全身の柔軟性が高まります。
 みなさんも、リラックスする際は息を自然とゆっくり吐き出すでしょう呼気を利用したストレッチングは、副交感神経機能が優位に働く筋内環境になり、その他のも、心拍数減少、収縮期、拡張期血圧減少、心臓交感神経活動の有益な減少を得るとされています。